シラバス参照

講義名 肢体不自由教育I 
英文科目名 Education for Children with Physical/moter Disabilities I 
科目ナンバー H00EXP2827 
担当者

井上 明浩

科目群 教職課程(自由選択科目) 
対象学年 2年 
単位数
開講期間 前期 
曜日・時限・教室 前期 火曜日 3講時 B-202教室



授業のねらい
肢体不自由教育Ⅰでは、肢体不自由児教育に携わる教員や支援者になったとき、教育実践は楽しいと思える力を付けていくことを目指します。
特に、肢体不自由児教育Ⅰでは障害児教育の歴史の中で肢体不自由児教育がどのような流れの中にあったのか、どのような課題があるのかを学びます。肢体不自由児にとって教育の持つ可能性がいかに大きく、卒業後の社会生活に必要であるかを学びます。これらを学ぶに当たり、様々なキーワードが用いられます。例えば個別の教育支援計画、教育課程、学習指導案、早期療育、就学指導、運動発達、障害者スポーツ、コミュニケーション等々です。これらのキーワードを徐々に使いこなせるようにします。そうして、肢体不自由教育に課題意識を育みます。課題意識を持つことがこれから肢体不自由教育に取り組む皆さんの力となると思います。 
履修者が到達すべき目標
授業の到達目標及びテーマ
Ⅰ 教育課程 全体目標
1 特別支援学校教育要領・学習指導要領を基準として特別支援学校(肢体不自由)において編成される教育課程の意義や編成方法を理解するとともに、カリキュラム・マネジメントについて理解する。
Ⅱ 教育課程編成の意義
1 特別支援学校(肢体不自由)の教育課程の意義を理解する。
2 生きる力としての知・徳・体、並びに障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服する力を育むことを目指すために教育課程を編成することについて理解する。
Ⅲ 教育課程編成の方法とカリキュラム・マネジメント及び指導法
1 幼児、児童、生徒の肢体不自由の状態や特性及び心身の発達の段階等並びに特別支援学校(肢体不自由)の教育実践に即した教育課程の編成の方法と評価及び改善を行うカリキュラム・マネジメントの考えを理解する。
2 肢体不自由の状態や特性及び心身の発達の段階並びに学習の進度を踏まえ、各教科並びに教科等の教育内容を理解し組織すると共に、必要な授業時数を定めて、教育課程を編成することを理解している。また、各教科並びに教科等の年間指導計画を踏まえて、個別の指導計画を作成することを理解している。
3 自立活動の指導における個別の指導計画の作成と内容の取り扱いについて理解するとともに、教科と自立活動の目標設定に至る手続きの違いを理解している。また、具体的な指導場面を想定した指導法を理解する。
Ⅳ 各教科並びに教科等の配慮事項と授業設計
1 各教科並びに教科等の指導における配慮事項について理解し、自立活動及び自立活動の指導と関連付けた具体的な授業場面を想定した授業設計の方法を習得する。また、思考力、判断力、表現力等の育成に必要となる体験的な活動を通して基礎的な概念の形成を図ることを理解している。更に、学習するために必要となる姿勢や認知の特性に応じて指導を工夫することについて理解している。
2 肢体不自由の状態や特性及び心身の発達の段階等を踏まえ、指導の効果を高めるために必要となる身体の動きや意思の表出の状態に応じて、適切な補助具や補助手段を工夫することやICT及び教材・教具を活用することについて理解している。また、自立活動及び自立活動の指導と関連を踏まえた各教科並びに教科等の学習指導案を作成することができるとともに、授業改善の視点を身に付けている。
Ⅴ 肢体不自由教育に関連する事項
1 障害児教育の歴史の中で肢体不自由児教育がどのような流れであったのかを理解する。
2 肢体不自由児者のスポーツ活動・就労や福祉事業サービス・社会生活について理解する。
3 肢体不自由児の早期療育・医療的ケア・家庭生活・地域支援について理解する。
4 肢体不自由者のスポーツ活動や歌、ヨサコイなどの踊りや余暇活動を充実させる工夫について学び、余暇の活用に積極的に参加できる姿勢を養う。
5 トータルコミュニケーションの視点について学ぶ。 
授業の進め方
学修上の助言
基本的には、各回の授業テーマに沿って配付資料や参考書を軸にしながら授業を進め、関係資料を参照しつつ理解を深めていきます。授業中の質問や発言を大切にします。また、時間外学習を勧める観点から、不定期に講義の内容の中からミニレポート・ミニテストを実施します。授業者・支援者であれば児童生徒にどう教えるかを一緒に考える場面を持ちます。 
アクティブ・ラーニングの要素の有無
ディスカッションを行いながら講義を進める。感染症対策により、アクティブラーニングの要素を変更することがある。 
ICTを活用した双方向型授業の有無
無し 
授業内容・計画
回数 授業、事前・事後学修の内容 時間
1 事前   シラバスを事前に読む。  2.0 
授業   オリエンテーション 前期15回の講義について見通す。障害者の歴史、障害児教育の歴史 教師や支援者として肢体不自由児教育において何を課題意識として持つか考える。特別支援教育の中で、肢体不自由教育とはどのよう対象としているのか理解する理解する。二分脊椎について理解する。 
事後   障害児教育の歴史問題を復習する。  2.0 
2 事前   重複障害者の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児教育は様々な教育の場で行われているとこを理解する。また、重複障害児の教育について理解する。訪問教育の現状と課題を理解する。
肢体不自由児への対応の歴史 肢体不自由児教育と医療的ケアの関連、経過、現状、課題について理解する。 
事後   肢体不自由教育の概要問題を解く。  2.0 
3 事前   運動発達についての資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の姿勢・運動発達、コミュニケーションについて概観する。姿勢・運動発達と食べること遊ぶことコミュニケーションをとるこ自立活動の指導について理解する活動の指導について学ぶ。 
事後   運動発達の問題を解く。  2.0 
4 事前   言語発達の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の姿勢・運動発達、コミュニケーションについて概観する。姿勢・運動発達と食べること遊ぶことコミュニケーションをとることの関連について理解体育科の指導法指導法について学ぶ。また、遊びの指導について学ぶ。学習を進める中で、呼吸との関連について学ぶ。 
事後   言語発達の問題を解く。  2.0 
5 事前   運動発達と言語発達に関する資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の姿勢・運動発達、コミュニケーションについて概観する。姿勢・運動発達には道筋があることを理解する。同様に食べることにも道筋があることを理解する。 
事後   運動発達と言語発達の関連問題を解く。  2.0 
6 事前   遊びに関する資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の姿勢・運動発達、コミュニケーションについて概観する。コミュニケーション能力の獲得には遊びや子ども集団が重要であることを理解する。国語科の指導方法について学ぶ。これまでの学習の振り返りを行うとともに、キーワードについて試験を行う。 
事後   遊びに関する発達の問題を解く。  2.0 
7 事前   特別支援教育の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の教育課程について学ぶ (1) 特別支援学校学習指導要領解説から特別支援学校の教育課程について理解する。 
事後   特別支援学校学習指導要領の問題を解く。  2.0 
8 事前   特別支援教育の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の教育課程について学ぶ (2) 肢体不自由児に配慮した教育は学校教育のいかなる場面でも必要であることを知る。特別支援学校(肢体不自由)で使われている指導案について理解し、指導案作成の基礎を学ぶ。 
事後   特別支援教育学習指導要領の肢体不自由者に関する問題を解く。  2.0 
9 事前   特別支援教育の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児教育Ⅰの基本についてまとめる。これまでの学習で重要と思われるキーワードについて再学習する。特に認知言語額の視点からコミュニケーションについて学ぶ。 
事後   特別支援教育関連の問題を解く。  2.0 
10 事前   障害者スポーツの資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児教育と障害者スポーツについて学ぶ (1) フライングディスク、車椅子ダンス(ヨサコイ)などについて学ぶ。体育科の指導方法につ音楽科の指導方法について学ぶ方法について学ぶ。 
事後   フライングディスクの資料を読む。  2.0 
11 事前   障害者スポーツの資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児教育と障害者スポーツについて学ぶ (2) 車椅子ラクビー、バスケットボール、カーリング、サッカーなどから学ぶ。
フライングディスクのコーチングから学ぶ。自立活動について学ぶ。 
事後   フライングディスクの資料を読む。  2.0 
12 事前   早期療育の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児の早期療育の現状と課題について知る。早期療育にとってどのような課題があるか知る。就学指導について理解する。 
事後   肢体不自由児の教育実践記録を読む。  2.0 
13 事前   授業分析の資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由教育における授業実践と授業分析について学ぶ。
ウエルドニッヒホフマン病の実践記録から授業実践について学ぶ。
特別支援学校(肢体不自由)で使われている指導案について理解指導案作成の基礎を学ぶ学ぶ。 
事後   OT、PT、STに関する資料を読む。  2.0 
14 事前   医療の専門家との連携に関する資料を読む。  2.0 
授業   肢体不自由児教育と理学療法士、作業療法士の連携について知る。理学療法士、作業療法士の仕事について知る。理学療法士、作業療法士が使う医療と関連した言葉について理解を深める。
ICTの活用と支援機器について知る。 
事後   前期の講義資料を読む。  2.0 
15 事前   前期の講義資料を読み定期試験に備える。  2.0 
授業   肢体不自由児教育Ⅰの基本についてまとめる。特別支援学校の教育課程の編成・実施・評価・改善について基礎を学び、カリキュラについて理解するについて理解する。
これまでの学習で重要と思われるキーワードについて再学習し、試験を行う。 
事後   前期の講義資料を読み定期試験に備える。  2.0 
授業科目に関連する実務経験の内容とその経験を活かした授業の展開
特別支援学校での教職経験・福祉事業所での勤務経験があり、特別支援教育対象の児童生徒の実際的な理解と指導方法を基に受講生に対し、実践的な教育を行っている。また、受講生の多くが教員採用試験に合格している経験から受講生一人一人の進度に合った支援を行いながら講義を行っている。 
成績評価の基準と方法
課題に対するフィードバックの方法
講義中の試験と定期試験で評価する。 
テキスト
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1.   『随時配布資料』     
2. 文部科学省  『特別支援学校学習指導要領』  海文堂出版  ISBN978-4-303-12424-3C307 
参考文献
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. 林 万リ監修  『やさしく学ぶからだの発達』  全障研出版部  ISBN978-4-8813-944-1 
2. 林 万リ監修  『やさしく学ぶからだの発達Part2』  全障研出版部  ISBN978-4-88134-405-7 
3. 日本小児神経学会社会活動委員会 松石豊治郎、北住映二、杉本健郎  『医療的ケア研修テキスト』  クリエイツかもがわ  ISBN978-4-902244-67-5 
4. 日本小児神経学会社会活動委員会 北住映二、杉本健郎  『新版 医療的ケア研修テキスト』  クリエイツかもがわ  ISBN978-4-86342-083-0 
関連ページ
1. 教育研究業績  https://researchmap.jp/aki0421   
備考
・この講義を受講後に、「肢体不自由児教育Ⅱ」を履修することが望ましい。
・出席は単位認定の前提とし、特別な理由なくして欠席数が全講義時間数の1/3以上の場合は、単位を認定しない。
・教職課程以外の受講希望学生については初回の講義で面談を行う。受講態度などで約束事があり、守れる学生が受講できると考えていただきたい。
障害児者のディケアや特別支援教育のボランティア活動を積極的にする気持ちのある方が履修の前提になります。 
教員e-mailアドレス
a.inoue@sgu.ac.jp 
オフィスアワー
水曜日14:00~17:00  C館5階 C-514研究室 ※その他の曜日もメールで連絡のうえ来室可 
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