シラバス参照

講義名 政治経済論I 
英文科目名 Political Economy I 
科目ナンバー K00BAS1104,G00BAS1104 
担当者

浅川 雅己

科目群 専門基礎科目I群 
対象学年 1年 
単位数
開講期間 後期 
曜日・時限・教室 後期 月曜日 1講時 多目的ホール(新札幌)



授業のねらい
 この講義では、今の社会のしくみがどんなものでどんな特徴があるのか、このままこの社会で暮らしていて僕らは、本当に幸せになれるのか、そんなことを考えていきたいと思います。

 幸せに生きるために必要なこととは何でしょう。個人の努力?そうですね。それは絶対に必要です。当人の努力抜きに幸せに生きるなんて,よほど運の良い人でないと無理です。でも,個人の努力だけでも,十分ではありません。例えば,芝が荒れていたり,石ころが無数に転がっていたり,雨でぬかるみができたピッチでは,一流のサッカー選手も最高のプレーはできません。湿度90%,室温35度の教室で試験を受けて実力を発揮するのはかなり厳しいでしょう。個人の努力が結果に繋がるかどうかは,その時の〈環境〉によってもかなり違ってきてしまうものです。

 〈環境〉という言葉には,自然的条件からなる自然環境という意味だけでなく,社会的な環境,つまり社会の仕組み・制度,他の人たちとの間柄[社会関係]という意味もあるのです。社会的な環境としての〈いまの社会〉が幸せに〈生きるための場〉として適切なものかどうかを考えることは、今後ますます重要になってくるでしょう。なぜなら、唯一可能な経済システムと見える資本主義も、日本が経験している景気低迷や国際問題化した環境破壊、もはや途上国だけの問題ではなくなりつつある格差と貧困など大きな危機に直面しているからです。 
 
 本講義では、このような危機の時代=現代を理解するためにまず身に着けておかなくてはいけない基礎的経済理論として、資本主義的な社会・経済システムの基本構造を学びます。資本主義社会に特有な運動機構のなかで経済(生産・流通・分配・消費)がどのように行われているかを、本講義と2年次配当の政治経済論2と合わせて総合的に講義します。本講義では、生産関係、生産力、生産様式などの基本概念と「商品と貨幣」、「貨幣の資本への転化」を学びます。 
履修者が到達すべき目標
 到達目標を以下の3段階に分け、これを順次たどって最終段階(レベル4)の達成を目指します。講義終了時の到達段階で評価(A,B,C,S)が決まります。


レベル1:資本の生産過程とそこにおける生産様式の発展、および資本の蓄積過程の基本内容を理解する。…C
レベル2:上記の基本内容に関する先行研究の概要と主要争点を理解する.…B
レベル3:上記の先行研究の争点について各自が独自の見解をレポート等で展開できる。…A
レベル4:上記の意見の内容が、この分野の研究の発展に貢献できる要素を含んでいる…S 
授業の進め方
学修上の助言
 パワーポイント(スライド)を用いた解説講義とMoodle上での受講者相互,受講者と教員間の意見交換とで構成される授業です。

 毎回の講義に先立って,必ずテキストの予定の範囲を熟読して下さい。予習なしには単位取得は不可能だと考えてください。一週間のスケジュールの中で、本講義の予復習に使う時間をあらかじめ決めておくことを強くお勧めします。

テキストを予習したうえで解説講義を受講してください。その後,Moodle上の講義ページに記載された指示に従って,フォーラム(オンライン掲示板)への投稿などを行ってください。

必要な資料はすべてMoodleを通じて配布します。受講についてのより詳細な手引き(「履修の手引き」)を第1回講義資料としてアップしますので,必ず事前に目を通しておいてください。 
アクティブ・ラーニングの要素の有無
Moodleのフォーラム上でディスカッションを行う。 
ICTを活用した双方向型授業の有無
Moodleのフォーラム上でディスカッションを行う。 
授業内容・計画
回数 授業、事前・事後学修の内容 時間
1 事前   シラバスの読み込み  2.0 
授業   ガイダンス 
事後   フォーラム,アンケートなどを用いた質疑・応答  2.0 
2 事前   テキストの第2回講義での学習範囲を精読する  2.0 
授業   現代社会と社会経済学 
事後   第2回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
3 事前   テキストの第3回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   労働による社会形成(1)…遠隔授業[以降,第13回まで同じ] 
事後   第3回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
4 事前   テキストの第4回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   労働による社会形成(2) 
事後   第4回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
5 事前   テキストの第5回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   生産関係、生産力、生産様式 
事後   第5回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
6 事前   テキストの第6回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   (基本概念についてのまとめ) 
事後   第6回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
7 事前   テキストの第7回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   商品の2要因 
事後   第7回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
8 事前   テキストの第8回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   抽象的労働と具体的労働 
事後   第8回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
9 事前   テキストの第9回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   商品の価値表現、商品生産関係とその独自な性格 
事後   第9回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
10 事前   テキストの第10回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   交換過程 
事後   第10回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
11 事前   テキストの第11回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   (商品・貨幣についてのまとめ) 
事後   第11回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
12 事前   テキストの第12回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   貨幣の資本への転化(1)――資本としての貨幣、資本の謎、 
事後   第12回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
13 事前   テキストの第13回講義での学習範囲を精読する。  2.0 
授業   貨幣の資本への転化(2)――謎を解くカギ:商品としての労働力、労働力の売買 
事後   第13回講義に関して,フォーラム,アンケートなどを用いてディスカッションを行う  2.0 
14 事前   これまで授業全体を振り返り,残された疑問点などの洗い出しを行う  2.0 
授業   レポートについて 
事後   仮提出用レポートの作成  2.0 
15 事前   仮提出用レポートの作成・提出  2.0 
授業   仮提出されたレポートへのコメント,レポートに関する質問への応答 
事後   本提出用レポートの作成と提出  2.0 
授業科目に関連する実務経験の内容とその経験を活かした授業の展開
なし 
成績評価の基準と方法
課題に対するフィードバックの方法
 成績評価の素材は,フォーラム(電子掲示板),アンケート,チャットなどを用いたMoodle(オンライン学習システム)上のディスカッションと,期末レポート及び定期テストの3つです。 

 受講態度(フォーラム等を用いたディスカッションへの参加状況)をもっとも重視します。比重としては、全体の45%ほどです。それに加えて、レポート25%、定期試験30%とします。)

※ この講義には「出席点」はありません。つまり,教室に出向いて講義を受講するだけで「出席点」なるものが発生するわけではありませんので,この点を十分理解しておいてください。フォーラム等のディスカッションに参加(フォーラムに投稿)し,アンケートに回答して初めて,《平常点》が付きます。

※次の3つのケースのどれか一つにでも当てはまった場合は,自動的に単位を失います。

1.「期末レポート」を提出しない。
2.Moodle上のディスカッション等へ参加率が講義最終回分の課題提出締切時点で8割をきる。
3.定期試験を受験しない。

フィードバックは、フォーラムへの投稿に対する返信、講義内でのコメント等によって行います。 
テキスト
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. 大谷禎之介  『図解 社会経済学』  桜井書店  4921190089 
参考文献
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. マルクス  『資本論』  大月書店  4272802518 
2. ヨハン・モスト  『マルクス自身の手による 資本論入門』  大月書店  1920033022000 
3. 大谷禎之介 他  『21世紀とマルクス』  桜井書店  9784921190408 
4. 鈴木・高田・宮田 編  『21世紀に生きる資本論』  ナカニシヤ出版  9784779514432 
関連ページ
1. 社会問題と社会科学のためのサイバー大石ゼミナール  http://www.asahi-net.or.jp/~mu3t-oois/  拓殖大学大石先生のページ 
2. さっぽろ地下鉄のなかでマルクスを呼吸する、世界を呼吸する  http://kamiyamay.exblog.jp/i2/  北海学園神山先生のブログ 
3. 松尾 匡 の ペ ー ジ  http://matsuo-tadasu.ptu.jp/  立命館大学松尾先生のページ 
4. 教育研究業績  http://researchmap.jp/read0199127  Research Map 
備考
 2年次以降、政治経済論2を履修する可能性のある人は、必ず本講義を履修してください。
 
 Moodle上で配布される「履修の手引き」を開講前によく読んでおいてください。なお、「履修の手引き」は開講までに修正される場合もあります。その場合は、新たに配布される最新版に従ってください。

※対面授業ですが,社会情勢によって授業方法が変更となる場合があります。また、評価素材のうち、定期テストが取り消される場合もあります。その場合には、配点の比重も変化します。情報ポータル・Moodleを定期的にチェックしてください。 
教員e-mailアドレス
asakawaあっとまーくsgu.ac.jp 
オフィスアワー
1) 月曜日11:00~12:40

2) 木曜日12:30~13:15

新札幌キャンパス509研究室 
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