シラバス参照

講義名 心理学特殊講義A 
英文科目名 Lecture on Psychology A 
科目ナンバー FH0EXP3526 
担当者

河合 直樹

科目群 専門科目 
対象学年 1年 
単位数
開講期間 前期 
曜日・時限・教室 前期 火曜日 5講時 遠隔授業



授業のねらい
 ときに私たちは、日々の行動や発言、判断といったものを自分の「こころ」の純粋な産物だと考える。「友人からの甘い誘いに思わず乗ってしまった」「ライブ会場の熱気に当てられて自分でも驚くほど狂騒してしまった」いう場合はあくまで“例外”にすぎず、他の存在とは一線を画した「この私」こそが判断の主体なのだ、と。この常識に対して強烈な一石を投じるのが、社会心理学である。「こころ」というものは、私たちが素朴に思っている以上に、他者からの影響に満ち満ちている。それほどに「こころ」と「社会」は分かちがたく結びついていることを、社会心理学は教えてくれる。

 ―――ここまでは「社会心理学A/B」のシラバスにあるとおりである。本講義ではさらに踏み込んだ議論をしてみたい。すなわち、そこまで「こころ」と「社会」とが密に結びついているのならば、「肉体のなかに心がある」という考え方そのものを、一度見つめなおしてもよいのではないか。つまり、「個人あって関係あり」ではなく「関係あって個人あり」というように逆転の発想をとってみれば、これまでとは異なる世界の捉え方ができるのではないだろうか。

 そこで本講義では、「関係あって個人あり」という、社会構成主義や関係主義と一般に称される考え方をベースとして、社会心理的現象の構造の新たな読み解き方を提示する。 
履修者が到達すべき目標
〇関係主義的な社会心理学の着想や研究成果を正しく理解し、重要な概念や事例について説明することができる。
〇日々の生活やメディアをとおして知る心理現象・社会現象を、社会心理学の概念を用いて考察したうえで、その社会的意味や解決方策について、自分のことばで論じることができる。 
授業の進め方
学修上の助言
【授業の進め方】
〇講義資料および講義動画を視聴してもらう(オンデマンド型)。
〇毎回、受講をとおして考えたことや質問などをmoodleで提出してもらう。(オンライン提出ではあるが、この提出物は慣例的に「リアクションペーパー」と呼ぶこととする)
〇学生の興味・関心に応じて、講義内容を変更することがある。

【学習上の助言】
〇わからないことや疑問に思ったことは、なるべく時間をおかずに調べたり、質問するとよい。仮に、そのとき解決・納得が得られなかったとしても、注いだ努力は財産となり、今後の学習に必ず良い影響をもたらす。 
アクティブ・ラーニングの要素の有無
なし 
ICTを活用した双方向型授業の有無
〇基本的に、【遠隔授業】とする。
〇情報共有ツールとして、moodleを中心に活用する。学生ポータルも併用するので、moodleおよびポータルをこまめに確認すること。 
授業内容・計画
回数 授業、事前・事後学修の内容 時間
1 事前   シラバスを読む  2.0 
授業   〇本講義の概要、進め方、注意点 
事後   配布資料を復習する  2.0 
2 事前   「肉体のなかに心がある」という考え方が実生活のなかでどのようなメリットとデメリットを呈しているかをまとめる  2.0 
授業   〇関係論とはなにか
 ~心を大切にし、心に囚われるメカニズム
*心の時代、心理主義 
事後   配布資料を復習する  2.0 
3 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇集合性(1)
  ~「肉体に内蔵された心」からの脱却
*自己理解、他者理解、コミュニケーション、コード・モデル 
事後   配布資料を復習する  2.0 
4 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇集合性(2)
 ~グループ・ダイナミックスとはなにか
*集合性/「かや」 
事後   配布資料を復習する  2.0 
5 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇集合性(3)
 ~グループ・ダイナミックスの前提
*現前、身体、事物 
事後   配布資料を復習する  2.0 
6 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇集合性(4)
 ~「かや」の多様性とダイナミックス
*多層的重複構造、異質性との出会い 
事後   配布資料を復習する  2.0 
7 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇アクションリサーチの理論
 ~「現場を(about)研究する」から「現場とともに(in/with)研究する」へ
*ローカリティ、価値・目的、一次モードと二次モード、インターローカリティ 
事後   配布資料を復習する  2.0 
8 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇アクションリサーチの実例
 ~被災地において書道教室という場がもつ意味
*災害復興、主体性 
事後   配布資料を復習する  2.0 
9 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇規範の理論(1)
  ~ルールをつくった人は、すでにそのルールに従っていた??
*意味、「である」規範、「べし」規範 
事後   配布資料を復習する  2.0 
10 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇規範の理論(2)
  ~「わたし」は肉体に閉じた存在か?
*身体の溶け合い、第三の身体 
事後   配布資料を復習する  2.0 
11 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇規範の理論(3)
  ~こどもの「なんで?」ほど恐ろしいものはない
*自己言及、両義性 
事後   配布資料を復習する  2.0 
12 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇規範の理論(4)
 ~個人の「心」の社会的構成
*コミュニケーション、「心」の成立、集団主義、個人主義 
事後   配布資料を復習する  2.0 
13 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇自己の理論(1)
 ~「本当の自分」はどこにあるのか?
*自己物語、物語得ないもの 
事後   配布資料を復習する  2.0 
14 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇自己の理論(2)
 ~自分という存在の根拠は自分の「外」にある?
*他者性、ドミナント・ストーリー 
事後   配布資料を復習する  2.0 
15 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇自己の理論(3)
 ~問題そのものが問題なのではない、問題を問題とみなすことが問題なのだ
*ナラティブ・アプローチ、当事者研究 
事後   配布資料を復習する  2.0 
授業科目に関連する実務経験の内容とその経験を活かした授業の展開
実務経験なし 
成績評価の基準と方法
課題に対するフィードバックの方法
〇第2~15回の授業後に提出するリアクションペーパー(各5点×14回=70点)、ならびに期末レポート(30点)により評価する。
*盗用(コピペなど)をはじめとする不正行為が確認された場合、原則として、当該学生に対して本科目の単位を認定しない。

〇リアクションペーパーの評定は、moodleを通じて、次回講義日までに実施する。
〇期末レポートの評定は、moodleを通じて、成績確認期間前までに実施する。 
テキスト
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. 特に指定しない。       
参考文献
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. 杉万俊夫  『グループ・ダイナミックス入門:組織と地域を変える実践学』  世界思想社  978-4790715887 
関連ページ
備考
〇原則として、指定された〆切以降に提出されたリアクションペーパーおよび期末レポートは受理しない。
〇本学の「履修要項」に定められている欠席(特別欠席・公認欠席・感染症による授業欠席)に該当する場合は、所定の証明書を提出した者に限り、特別対応(課題の提出〆切の延長など)を検討する。ただし、状況により特別対応が難しい場合もありうる。そのため、欠席証明書は発行され次第、速やかに提出すること。
〇特別な理由がない限り、成績の再評価は行わない。たとえば、上述の証明書が発行されない事情(通常の体調不良など)しかないにもかかわらず「今期に卒業するため、なんとか本科目の単位を認めてほしい」といった陳情には、基本的に応じない。

〇受講にあたって前提とする知識は特にないが、「社会心理学A/B」を履修すると講義内容の理解がいっそう深まる。 
教員e-mailアドレス
kawaiあっとまぁくsgu.ac.jp 
オフィスアワー
水曜12:30-13:00(A館4階419) 
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