シラバス参照

講義名 心理学特殊講義A 
英文科目名 Lecture on Psychology A 
科目ナンバー  
担当者

河合 直樹

科目群 専門科目 
対象学年 1年 
単位数
開講期間 前期 
曜日・時限・教室 前期 火曜日 5講時 B-202教室



授業のねらい
 ときに私たちは、日々の行動や発言、判断といったものを自分の「こころ」の純粋な産物だと考える。「友人からの甘い誘いに思わず乗ってしまった」「ライブ会場の熱気に当てられて自分でも驚くほど狂騒してしまった」いう場合はあくまで“例外”にすぎず、他の存在とは一線を画した「この私」こそが判断の主体なのだ、と。この常識に対して強烈な一石を投じるのが、社会心理学である。「こころ」というものは、私たちが素朴に思っている以上に、他者からの影響に満ち満ちている。それほどに「こころ」と「社会」は分かちがたく結びついていることを、社会心理学は教えてくれる。

 ―――ここまでは「社会心理学A/B」のシラバスにあるとおりである。本講義ではさらに踏み込んだ議論をしてみたい。すなわち、そこまで「こころ」と「社会」とが密に結びついているのならば、「肉体のなかに心がある」という考え方そのものを、一度見つめなおしてもよいのではないか。つまり、「個人あって関係あり」ではなく「関係あって個人あり」というように逆転の発想をとってみれば、これまでとは異なる世界の捉え方ができるのではないだろうか。

 そこで本講義では、「関係あって個人あり」という、社会構成主義や関係主義と一般に称される考え方をベースとして、社会心理的現象の構造の新たな読み解き方を提示する。 
履修者が到達すべき目標
〇関係主義的な社会心理学の着想や研究成果を正しく理解し、重要な概念や事例について説明することができる。
〇日々の生活やメディアをとおして知る心理現象・社会現象を、社会心理学の概念を用いて考察したうえで、その社会的意味や解決方策について、自分のことばで論じることができる。 
授業の進め方
学修上の助言
【授業の進め方】
〇スライドおよび配布資料をもとに講義を行う。
〇学生への問いかけや、学生どうしの対話の時間をとることがある。積極的な参加を期待する。
〇授業の終盤に15分程度の時間をとり、感想や質問などを書いてもらう。(リアクションペーパー)
〇学生の興味・関心に応じて、講義内容を変更することがある。

【時間外学習】
〇シラバスに示したキーワードや、ニュース・新聞で報じられる心理的問題を、インターネット等で調べ、事前に関心を深めておくこと。
〇授業中に紹介する参考文献を読んだり、講義内容をもとに身近な心理現象を考察してみるなど、授業後の発展的な学習に努めること。

【学習上の助言】
〇わからないことや疑問に思ったことは、なるべく時間をおかずに調べたり、質問するとよい。仮に、そのとき解決・納得が得られなかったとしても、注いだ努力は財産となり、今後の学習に必ず良い影響をもたらす。 
アクティブ・ラーニングの要素の有無
なし 
ICTを活用した双方向型授業の有無
なし 
授業内容・計画
回数 授業、事前・事後学修の内容 時間
1 事前   シラバスを読む  2.0 
授業   〇オリエンテーション
  ~新しい社会心理学のポイント 
事後   配布資料を復習する  2.0 
2 事前   「肉体のなかに心がある」という考え方が実生活のなかでどのようなメリットとデメリットを呈しているかをまとめる  2.0 
授業   〇集合性(1)
  ~「肉体に内蔵された心」からの脱却
*グループ・ダイナミックス、社会構成主義、「かや」 
事後   配布資料を復習する  2.0 
3 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇集合性(2)
  ~結節点としての「わたし」
*意味、身体、異質性 
事後   配布資料を復習する  2.0 
4 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇アクションリサーチの理論
  ~「現場を(about)研究する」から「現場とともに(in/with)研究する」へ
*協同的実践、ローカリティ、価値、気づかざる前提、インターローカリティ 
事後   配布資料を復習する  2.0 
5 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇アクションリサーチの実例
  ~被災地における書道教室の取り組み
*被災者アイデンティティ、復興といわない復興支援、主体性 
事後   配布資料を復習する  2.0 
6 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇規範の理論(1)
  ~ルールを作った人は、すでにそのルールに従っていた??
*「べし」規範、「である」規範、第三の身体 
事後   配布資料を復習する  2.0 
7 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇規範の理論(2)
  ~「あたりまえ」はどのようにして出来上がるのか
*両義性、自己言及、コミュニケーション 
事後   配布資料を復習する  2.0 
8 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇活動の理論(1)
  ~私たちは常に「チームプレー」をしている
*文化-歴史的活動理論 
事後   配布資料を復習する  2.0 
9 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇活動の理論(2)
  ~「彼方立てれば此方が立たぬ」は変革の原動力
*矛盾、発達の最近接領域 
事後   配布資料を復習する  2.0 
10 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇自己の理論(1)
  ~「本当の自分」はどこにあるのか?
*自己物語論 
事後   配布資料を復習する  2.0 
11 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇自己の理論(2)
  ~「自分の言葉で話しなさい」という要求に、なぜ息苦しさを感じるのか?
*物語得ないもの、他者 
事後   配布資料を復習する  2.0 
12 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇ケアの理論
  ~問題そのものが問題なのではない、問題を問題とみなすことが問題なのだ
*ナラティブ・セラピー、問題の外在化、当事者研究 
事後   配布資料を復習する  2.0 
13 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇学習の理論
  ~いつから「知識を頭の中に叩き込むこと」が学習だと錯覚していた?
*正統的周辺参加論、実践共同体 
事後   配布資料を復習する  2.0 
14 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇学んできた理論を使ってみよう
  ~被災地書道教室ふたたび 
事後   配布資料を復習する  2.0 
15 事前   リアクションペーパーに対する教員からのコメント(別途配布)を読む  2.0 
授業   〇総括と道案内
  ~講義全体のまとめと、扱いきれなかった分野の簡単な紹介 
事後   配布資料を復習する  2.0 
授業科目に関連する実務経験の内容とその経験を活かした授業の展開
実務経験なし 
成績評価の基準と方法
課題に対するフィードバックの方法
第2~15回の授業後に提出するリアクションペーパー(各5点×14回=70点)、ならびに期末レポート(30点)により評価する。
*先述の「時間外学習」の努力がみられるリアクションペーパーは高く評価する。
*盗用(コピペなど)をはじめとする不正行為が確認された場合、原則として、当該学生に対して本科目の単位を認定しない。 
テキスト
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. 特に指定しない。       
参考文献
No 著者名 書籍名 出版社 ISBN/ISSN
1. 杉万俊夫  『グループ・ダイナミックス入門:組織と地域を変える実践学』  世界思想社  4790715887 
関連ページ
備考
〇授業開始後30分以降に入室した者に対しては、原則、リアクションペーパーを配布しない。
〇他の履修生に対する迷惑行為(授業内容と関係のない私語、スマートフォン等によるゲーム・SNSなど)を固く禁ずる。悪質な場合は途中退室を求める場合がある。
〇原則、欠席者に対して講義資料の再配布は行わない。ただし、本学の「履修要項」に定められている欠席(特別欠席・公認欠席・感染症による授業欠席)に該当する場合は、所定の証明書を提出した者に限り、欠席した講義の資料を提供する。

〇受講にあたって前提とする知識は特にないが、「社会心理学A/B」を履修すると講義内容の理解がいっそう深まる。 
教員e-mailアドレス
kawaiあっとまぁくsgu.ac.jp 
オフィスアワー
水曜12:30-13:00(A館4階419) 
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